SNSでの誹謗中傷問題


女子プロレスラー・木村花さん(享年22歳)が亡くなられたことは、今、大きな社会問題として取り上げられています。

「校長ブログ」は、主に創成館の様子や活動を紹介するブログですが、これがいかに大きな問題かということと、私の考えも示しておかなければならないと思いコメントをします。
SNSでの誹謗中傷は、日本だけでなく世界的な問題となって久しくありません。
近年では、韓国の女優やアイドルが自殺したり、芸能界だけではなく今や「イジメのツール」としても悪用されています。
もちろん「表現の自由」という権利もありますが、昨今のSNSのあまりに酷い罵詈雑言の書き込みには、怒りを通り越して、人間に対しての絶望感さえ抱いてしまいます。
私がはじめてSNSでの辛辣な書き込みを目にしたのは、「高校野球」に関する掲示板でした。
気に入らない学校、選手に対してだけでなく、その土地・地域に対する差別的書き込みまであり、思わず「本当に人間の書く文章なのか?」と目を疑うほどでした。
私は何回か生徒にこの様な話をしたことがあります。
「ネットにコメントを書き込むことでしか自分を表現できない情けない人間になって欲しくない。もし発言したいのなら、自分の顔、名前をしっかりと出してやるくらいの覚悟を持て。」
一度、この問題で知人と口論になったこともあります。
ある方から、「SNSでしか自己表現出来ない人もいる。その人たちの素直な声の発信場所を奪ってはいけない。」と言われました。
私はさすがに怒りました。
「だからと言って嘘を含めて何でもかんでも汚い言葉を書き込んで、ましてや自殺に追い込む正当性は全くない!!」
私は、今の日本に大きな不安と疑問を持って生きています。
SNSの現状だけでなく、荒れた成人式のあり様、親から子へのDVの増加、そして、世界に誇れる面も沢山あったのに、様々な制度によって骨抜きにされた感のある日本の教育。
私は今回の木村花さんの死を通じて、「一教育者として、生徒には人としてやって良い事と悪い事は厳しく教え込まなければならない。」と改めて感じました。
同時に、もし、この様な被害を奥田学園、並びに関係者が受けた場合は、速やかに被害届を出し、法的措置を講じるべきと思いました。
各組織、個人が、強い意志を持って戦う姿勢を見せることが、この様な悲劇を一つでも減らす一助となります。
まず、私たちが身近にできることは、「SNS上に人を傷つけることを書かない」こと。
すべてはそこから始まると思います。
最後に、亡くなられた木村花さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
故木村花さん(享年22歳)
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